高裁から東京拘置所へ向かう車の中で、生田弁護士は、慎重に言葉を選びながら、日本の司法界の水面下で進行している、ある驚くべき事態について語った。
それは記者が思わずふり向いて生田弁護士の顔を見つめてしまうような、深刻な状況でもあった。その詳細は、今は明らかにできないが、しかし、そうした深刻な司法の危機をふくめて、私たちの生活、政治のありように決定的な影響を持つ日本の司法制度を変えるには、まずは最高裁の〈裏金〉の実態を明らかにすることである。
それには、生田弁護士一人の孤軍奮闘では難しい、けれども、生田弁護士の闘いに賛同する、一人ひとりが力を合わせれば、おそらくは実現できるに違いない――記者自身も生田弁護士の話を聞いて、その思いを強くした。
小川氏と生田弁護士